突然ですが、脇汗には2種類のタイプがあるのをご存知ですか?
厳密にいえば、汗を分泌する「汗腺」が2種類あるのです。
一つは、「エクリン汗腺」から分泌される脇汗。
エクリン汗腺から分泌される脇汗(酸性)は、体温調節に欠かせない役割を持っており、そのほとんどが水分でできているためほぼ無臭、そして粘り気もなくサラッとしているのが特徴です。
そしてもう一つは、「アポクリン汗腺」から分泌される脇汗。
全身に分布されているエクリン汗腺とは違い、アポクリン汗腺は特定の部位のみに分布するのが特徴です。
自律神経の影響によって発汗(アルカリ性)しますが、体の表面に常在している菌に分解されると、ニオイを放つようになるのです。
同じ脇汗でも、エクリン汗腺から分泌されるものとアポクリン汗腺から分泌されるものは性質が大きく異なります。
脇汗そのものの発汗を抑えること、そして脇の下を清潔に保つことが、効果的な脇汗対策なのです。
脇汗が多くなる原因について

本来、脇汗は体温を調節するために発汗されるものですが、何らかの原因により多めに発汗される場合があります。
脇汗をいっぱいかいてしまう、という方はこれから紹介する原因の一つにあてはまるかもしれません。
ここでは、脇汗が多くなる原因についてまとめました。
心当たりがないかどうか、じっくり確認してくださいね。
精神性発汗
緊張した時、またストレスを感じた時にいつもよりたくさん汗をかいてしまった、という経験はありませんか?
これは交感神経(自律神経)が影響していると言われています。
緊張やストレスを感じている時は血圧が上昇したり血管が収縮したりしまうため、脳の扁桃体が不快感だと判断し、ストレスホルモンを分泌。
このストレスホルモンが交感神経を刺激することで、汗腺に発汗の指令が伝わり、いつもより多く脇汗をかいてしまうのです。
体温調整のために発汗される脇汗とは違い、精神性発汗は唯一扁桃体が関わっているのがポイントになります。
扁桃体は脳の中でも情動に関する部分。
精神性発汗は、人間がピンチを感じた時に体の熱を放出させる防御反応のようなものなのです。
精神性発汗を抑えるために必要なことは、睡眠不足を控えるなどして生活のリズムを整え、バランスをとれた食事を日々心がけること。
これにより自律神経を安定させ、精神性発汗を抑えることが期待できます。
更年期による影響
更年期に差し掛かると汗をかきやすくなると言われていますが、これも精神性発汗同様に自律神経が影響しています。
更年期に差し掛かると閉経しますが、これによって卵巣の機能が低下。
すると女性ホルモンの一種であるエストロゲンが減少、血管の収縮がコントロールしにくくなってしまい、顔や体に熱を感じるようになります。
これをホットフラッシュと言い、脇汗をはじめとする全身の発汗やほてり、のぼせといった症状が現れるのです。
精神性発汗が脳の指令により自律神経に影響を与えてしまうのに対し、更年期による発汗はホルモンバランスの乱れが自律神経に影響を与えます。
更年期の影響による脇汗を抑えたいなら、日頃から体を動かすことで全身の汗腺を機能させることや、発汗性のあるパッドを着用することがポイントです。
冷え性による影響
体全体は冷えているのに、脇汗をかいてしまう経験はありませんか。
実は体の冷えと脇汗は、密接なつながりがあるのです。
汗は体温を調整するために分泌されるものですが、運動不足やエアコンの影響により冷え性になってしまうと、血行が悪くなり下半身の体温調整がうまくいかなくなります。
すると、上半身に熱が溜まってしまうため、脇汗や背中の汗をかきやすくなるのです。
冷え性の影響による脇汗は、血行の改善がポイントになります。
軽い運動は血行が良くなるほか、汗腺を鍛える効果が期待できますし、半身浴で全身のめぐりが良くなるため、冷え性の影響による脇汗を予防することができます。
手足は冷たいのに脇汗がびっしょり、という方は、冷えの改善に努めてくださいね。
脇汗が原因で起きるトラブル

脇汗が引き金となって起きてしまうトラブルはさまざま。
例えば、洋服にできてしまう汗染みは、見た目にも服にも影響を与えてしまいます。
また、汗染みは洗濯しても落ちにくく、いつのまにか黄色いシミが目立つことも。
そして脇汗トラブルで多いのが、ニオイです。
エクリン汗腺から分泌される脇汗は99%が水分でできているため、肌表面に常在している雑菌が汗を分解しても、モワッとした“汗臭さ”を感じます。
しかし、アポクリン汗腺から分泌される脇汗には、タンパク質や脂質などのミネラルが多く含まれており、これらを雑菌が分解する時、ツーンとした独特で強烈なニオイを発することがあります。
これがワキガ(腋臭)の正体なのです。
アポクリン汗腺は思春期を境に発達する汗腺なので、赤ちゃんや幼児期には少ないトラブルと言われています。
さらに、脇汗が大量に発汗されることで交感神経の働きが異常に活発になり、自律神経失調症を引き起こす可能性も。
体の異常を感じる前に、脇汗対策を万全に行いましょう。
脇汗を防ぐには?
脇汗をかきにくくするためには、脇汗対策グッズで物理的、また間接的に脇汗を防ぎ、食生活や生活習慣の改善を試みることが必要です。
脇汗対策グッズには、汗腺そのものに蓋をする制汗剤(脇制汗剤)や、制汗作用が期待できる成分を配合した化粧品、脇汗を吸収するシート(パット)などがあります。
それぞれ目的は同じでも、違ったアプローチで脇汗やニオイを防ぐので、用途に合わせて脇汗対策グッズを使い分けることがポイントです。
また、軽い運動や野菜をしっかり摂ることも、脇汗防止やニオイ防止につながります。
脇の下は熱がこもりやすく汗をかきやすい部位なので、通気性の良い衣服を身につけましょう。
美容外科における治療について
脇汗がひどく、ワキガが疑われる場合は美容外科で治療することも可能です。
美容外科では、脇にボトックス注射を打つことでエクリン汗腺の活動を抑え、脇汗を防ぐ処置が一般的ですが、エクリン汗腺やアポクリン汗腺を取り除くワキガ・多汗症手術もあります。
費用は、ボトックス注射の場合両脇で5万円前後、そして手術の場合は15万前後となります。
いち早く脇汗の悩みを解決したい!という方は一度検討してみてはいかがでしょうか。